人工透析の障害年金請求を専門の社労士が解説②/成功事例

多発性嚢胞腎で人工透析になったら障害年金はもらえる?認定基準・初診日のポイントを社労士が解説!
~第2回 人工透析の障害年金認定・受給事例・申請を専門家に依頼するメリット~
前回の記事では、多発性嚢胞腎とはどのような病気なのか、多発性嚢胞腎だけでも障害年金を請求できるのか、そして障害年金請求で非常に重要となる「初診日」の問題について詳しく解説しました。
今回はその続きとして、
- 人工透析を始めたら障害年金2級になるのか
- 人工透析開始後、いつから障害年金を請求できるのか
- 多発性嚢胞腎と人工透析の初診日はいつなのか
- 弘前市の当センターで実際に障害基礎年金2級となった事例
- 人工透析の障害年金請求を社労士に依頼するメリット
- 本人申請と専門家依頼では何が違うのか
- 全国対応・面談なしでも本当に大丈夫なのか
について、障害年金専門の社会保険労務士の立場から詳しく解説します。
人工透析を始めたら障害年金2級になる?
まず、人工透析を受けている方にとって最も重要なポイントです。
人工透析療法を施行中の場合、障害年金では原則として2級に認定されます。
これは日本年金機構が公表している障害認定基準に明記されています。
腎疾患による障害は、
- 自覚症状
- 他覚所見
- 検査成績
- 一般状態
- 治療及び病状の経過
- 人工透析療法の実施状況
- 日常生活状況
などを総合的に判断します。
そのうえで、人工透析療法を施行中の方については、原則2級として扱われます。
また、主要症状や検査成績、長期透析による合併症、その程度、日常生活状況などによっては、さらに上位等級となる可能性もあります。
つまり、
「人工透析をしているけれど仕事をしているから障害年金はもらえない」
ということではありません。
実際、人工透析を続けながら仕事をしている方でも、障害年金を受給しているケースがあります。専門社労士事務所の公開事例でも、人工透析を受けながら就労している方が障害年金2級に認定された事例が紹介されています。
人工透析をしていれば必ず障害年金を受給できるわけではありません
ここは非常に重要です。
「人工透析=自動的に障害年金がもらえる」という意味ではありません。
障害年金を受給するためには、少なくとも、
① 初診日要件
障害の原因となった傷病について、初めて医師の診療を受けた日を特定する必要があります。
② 保険料納付要件
初診日における年金加入状況に応じて、保険料納付要件を満たす必要があります。
③ 障害状態要件
障害認定基準上の障害状態に該当する必要があります。
人工透析の場合、障害状態については原則2級となりますが、初診日と保険料納付要件の確認が非常に重要です。
したがって、
「透析を始めたから、すぐに年金事務所へ行けば大丈夫」
とは限りません。
特に多発性嚢胞腎では、初診日が10年、20年以上前になることもあり、ここが最大の難関になる場合があります。
人工透析の場合、障害認定日はいつ?
人工透析には、一般的な障害年金とは異なる障害認定日の特例があります。
通常、障害認定日は原則として初診日から1年6か月を経過した日です。
しかし、人工透析療法を行っている場合は、
人工透析を初めて受けた日から起算して3か月を経過した日
が障害認定日となります。
ただし、初診日から1年6か月を超える場合は、原則の障害認定日によります。日本年金機構もこの取り扱いを明確にしています。
例えば、
- 初診日:令和7年1月10日
- 人工透析開始:令和8年1月15日
- 透析開始から3か月経過:令和8年4月15日
というケースでは、初診日から1年6か月以内であれば、人工透析開始から3か月を経過した日が障害認定日の特例となります。
透析を始めたら、3か月経過するまで請求できないの?
ここも誤解されやすいところです。
「障害認定日が透析開始から3か月後」ということと、「3か月経過するまで何も準備できない」ということは別です。
実際には、
透析開始が決まった段階から、初診日の確認や必要書類の準備を始めることが重要です。
特に多発性嚢胞腎の場合、
「初診日はいつだったのか?」
を確認するだけで時間がかかることがあります。
初診日の医療機関が現在の病院とは違う場合、受診状況等証明書を取得する必要が生じることがあります。
さらに、
- 病院が閉院している
- カルテが残っていない
- 10年以上前の受診
- 転院を繰り返している
- 健康診断が最初のきっかけだった
という事情があれば、早めに動くことが非常に重要です。
多発性嚢胞腎と人工透析では「初診日」が特に重要
多発性嚢胞腎から慢性腎不全となり、最終的に人工透析となった場合、
人工透析を始めた日が初診日になるわけではありません。
原則として、多発性嚢胞腎について初めて医師の診療を受けた日が初診日の候補になります。
これは非常に重要です。
例えば、
① 10年前
健康診断で腎臓の異常を指摘される
↓
② その後、A病院を初めて受診
↓
③ B病院の腎臓内科へ紹介
↓
④ 数年間治療
↓
⑤ 腎機能が悪化
↓
⑥ 人工透析開始
という経過の場合、
⑥の透析開始日ではなく、①・②を含めて「障害の原因となった傷病について初めて医師の診療を受けた日」を確認する必要があります。
実際に公開されている多発性嚢胞腎の障害年金事例でも、透析開始時の病院ではなく、それ以前の多発性嚢胞腎に関する受診日が初診日となったケースが紹介されています。
「初診日の病院にカルテがない」場合はどうする?
これが、多発性嚢胞腎の障害年金請求で非常に多い問題です。
例えば、
「初診日は10年前です。病院に問い合わせたらカルテがないと言われました。」
というケースです。
しかし、
カルテがない=障害年金を請求できない
ということではありません。
初診日を確認するために、
- 受診状況等証明書
- 紹介状
- 診療情報提供書
- 他の医療機関の診療録
- 健康診断結果
- 検査結果
- お薬手帳
- 医療費の領収書
- 診察券
- その他の客観的資料
などを調査していきます。
重要なのは、
「初診日を証明できる資料がないから諦める」のではなく、残っている資料を一つずつ確認すること
です。
この調査が、障害年金専門社労士に依頼する大きなメリットの一つです。
当センターの受給事例
弘前市在住・50代女性
多発性嚢胞腎から人工透析へ
今回ご紹介するのは、当センターで実際にサポートしたケースです。
※個人情報保護のため、詳細な個人情報については一部変更・省略しています。
ご相談時の状況
ご本人は弘前市在住の50代女性。
多発性嚢胞腎と診断され、その後、腎機能が徐々に低下して人工透析を開始されていました。
人工透析は継続しており、
「障害年金を請求できるのではないか」
と考えて当センターへご相談いただきました。
しかし、問題となったのが、
約10年前の初診日
でした。
ご本人としては、
「透析を始めた病院が初診の病院だと思っていた」
のですが、詳しく病歴を確認すると、それよりもかなり前から腎臓について医療機関を受診していた可能性がありました。
当センターが最も苦労した「初診日の証明」
今回の申請で最も時間と労力を要したのが、
約10年前の初診日の確認・証明
でした。
多発性嚢胞腎の場合、病気がゆっくり進行するため、
「最初に異常を指摘された時期」
と
「多発性嚢胞腎として本格的な治療を始めた時期」
が大きく離れていることがあります。
そのため、
「治療を始めた病院=初診日」
とは限りません。
当センターでは、ご本人から過去の受診歴を詳しく聞き取り、時系列を整理。
そのうえで医療機関との確認を行い、初診日を裏付ける資料を収集しました。
診断書だけではなく「病歴・就労状況等申立書」も重要
人工透析の場合、障害状態そのものは原則2級ですが、だからといって診断書だけ提出すればよいわけではありません。
障害年金請求では、
「病歴・就労状況等申立書」
も重要な書類です。
この書類では、
- 多発性嚢胞腎を発症してからの経過
- 医療機関の受診歴
- 転院歴
- 治療内容
- 腎機能の悪化
- 人工透析開始までの経緯
- 就労状況
などを整理して記載します。
特に重要なのは、
診断書と病歴・就労状況等申立書の内容に矛盾が生じないようにすること
です。
当センターでは、ご本人からこれまでの病歴を丁寧に聞き取り、医療記録との整合性を確認しながら書類を作成しました。
結果:障害基礎年金2級が認定されました
初診日の証明に時間を要しましたが、必要な資料を整え、障害年金を請求。
その結果、
障害基礎年金2級
が認定されました。
多発性嚢胞腎から人工透析となった方にとって、障害基礎年金2級は生活を支える大切な収入となります。
ご本人にも大変喜んでいただくことができました。
人工透析の障害年金請求は「早く動く」ことが重要
ここからは、当センターが特にお伝えしたいポイントです。
人工透析を始めた方の場合、
「障害年金を請求できることを知っているかどうか」
だけでなく、
「いつ請求するか」
も非常に重要です。
日本年金機構によれば、障害認定日に障害等級に該当しなかったものの、その後病状が悪化して障害等級に該当した場合の「事後重症による請求」は、請求日の翌月分から障害年金が支給されます。
つまり、
請求できる状態になったのに、請求手続きを何か月も先延ばしにする
ということは、その分だけ受給開始時期も遅れる可能性があります。
本人申請と社労士依頼では、どこが違う?
もちろん、ご本人が障害年金を請求することは可能です。
しかし、人工透析の方の場合、次のような負担があります。
ご本人が行う場合
- 初診日の確認
- 年金事務所への相談
- 必要書類の確認
- 医療機関への証明書依頼
- 診断書の依頼
- 診断書の内容確認
- 病歴・就労状況等申立書の作成
- 年金請求書の作成
- 書類の提出
- 不備があった場合の対応
これらを、ご本人またはご家族が行うことになります。
特に、
「初診日の病院と現在の透析病院が違う」
という場合には、書類が複雑になりやすくなります。
「5~6か月かけて本人申請」より「3か月程度で請求」できれば、その差は大きい
ここは、当センターがお客様に特に説明している部分です。
例えば、事後重症による請求で、
ご本人で手続きをした場合
準備に5~6か月かかって、
6か月目に請求
となった場合。
一方、
社労士に依頼した場合
必要書類の調査・医療機関への依頼・申立書作成などを効率的に進め、
3か月程度で請求
できたとします。
この場合、単純化すると請求日の差が約2~3か月あります。
事後重症請求では、原則として請求日の翌月分から支給されるため、この請求日の差が、そのまま受給開始時期の差につながる可能性があります。
例えば障害基礎年金2級なら?
令和8年度(2026年度)の障害基礎年金2級の年金額は、昭和31年4月2日以後生まれの方の場合、年額847,300円です。
単純に12か月で割ると、
847,300円 ÷ 12 ≒ 70,608円
となります。
仮に請求時期を2か月早められた場合、
約14万円
3か月早められた場合、
約21万円
の受給開始時期の差が生じる計算になります。
もちろん、これは単純計算であり、実際の支給額は個々の年金額、子の加算、他の年金との関係、請求方法などによって異なります。
また、社労士に依頼したから必ず3か月早く請求できるという保証はありません。
しかし、
「自分でやるつもりだったが、初診日の確認や病院との書類のやり取りに時間がかかり、結果として請求が何か月も遅れてしまった」
ということは避けたいところです。
その意味で、障害年金専門社労士に依頼する費用は、単なる「書類作成代」ではなく、
請求までの時間を短縮し、本来受け取れる年金を早く受け取るためのサポート費用
と考えることもできます。
社労士に依頼するメリット① 初診日の調査を任せられる
多発性嚢胞腎では、これが最大のメリットの一つです。
10年前、15年前、20年前の受診歴を、
ご本人だけで調べるのは非常に大変です。
障害年金専門社労士であれば、
「どこが初診日になるのか」
という観点から病歴を整理できます。
社労士に依頼するメリット② 医療機関への書類依頼をスムーズにできる
障害年金では医療機関から取得する書類があります。
例えば、
受診状況等証明書
です。
この書類は初診日の証明に使われます。
どの病院に、どの書類を依頼するべきなのかを判断するだけでも、一般の方には難しい場合があります。
社労士に依頼するメリット③ 診断書の内容を確認できる
医師に診断書を書いていただいたら、
「そのまま年金事務所に提出すればいい」
とは限りません。
障害年金専門社労士は、診断書の記載内容を確認し、
- 人工透析開始日
- 透析回数
- 腎疾患の経過
- 検査結果
- 一般状態
- その他の重要事項
などについて、必要な記載がされているか確認します。
もちろん、社労士が医学的判断をするわけではありません。
医師の医学的判断を尊重したうえで、障害年金の審査に必要な事項が適切に記載されているかを確認するということです。
社労士に依頼するメリット④ 病歴・就労状況等申立書を作成できる
病歴・就労状況等申立書は、ご本人の病歴を単に書けばいい書類ではありません。
重要なのは、
診断書などの医療資料と矛盾しない形で、初診日から現在までの経過を整理すること
です。
多発性嚢胞腎の場合、
「10年前の受診」
↓
「経過観察」
↓
「腎機能低下」
↓
「慢性腎不全」
↓
「人工透析」
という長い経過になることがあります。
これを正確に整理するのは、専門家に任せるメリットが大きい部分です。
社労士に依頼するメリット⑤ ご本人の負担を大幅に減らせる
人工透析は、
週3回程度の通院を長期間続ける必要がある治療
です。
透析後には疲労感や倦怠感が強くなる方もいます。
そのような中で、
- 年金事務所とのやり取り
- 病院への書類依頼
- 書類作成
- 不備対応
までご本人が行うことは大きな負担となります。
だからこそ、障害年金の手続きを専門家に任せる意味があります。
全国障害年金申請サポートセンターなら「面談なし」でも大丈夫です
当センターは、
全国対応
で障害年金の申請をサポートしています。
「青森県弘前市の事務所だから、青森県内の人しか依頼できないのでは?」
と思われるかもしれません。
しかし、そのようなことはありません。
障害年金の申請は、全国どこにお住まいの方でもサポート可能です。
遠方だからといって不利になることはありません
当センターでは、
などを活用して手続きを進めています。
必要に応じてオンラインでの打ち合わせにも対応できます。
そのため、
「一度も事務所へ行けないけれど大丈夫ですか?」
という方もご安心ください。
「面談しないと正確な病歴が分からないのでは?」
このような心配もあると思います。
しかし、障害年金申請で重要なのは、
ご本人から必要な情報を正確に聞き取り、医療記録や診断書などと照合しながら書類を作ること
です。
電話・メール・LINE・郵送などを組み合わせることで、十分な情報収集が可能です。
実際に当センターでは、遠方にお住まいの方からも障害年金申請のご依頼をいただいています。
多発性嚢胞腎・人工透析の障害年金Q&A
Q1.人工透析をしていれば必ず2級ですか?
原則として人工透析療法施行中の方は2級に認定されます。
ただし、障害年金には初診日要件や保険料納付要件があります。
また、主要症状や検査成績、合併症、日常生活状況等によっては上位等級となる可能性もあります。
Q2.人工透析をしながら働いています。障害年金はもらえますか?
可能です。
人工透析を受けていることだけを理由に、就労しているから障害年金が受給できないということにはなりません。
実際に、人工透析を受けながら働き、障害年金2級となった公開事例もあります。
Q3.多発性嚢胞腎だけで人工透析をしていなくても障害年金は請求できますか?
可能です。
腎疾患については、人工透析の有無だけで判断されるわけではありません。
検査成績、症状、一般状態、日常生活状況、治療状況などを総合的に判断します。実際に、多発性嚢胞腎で人工透析を開始する前に障害厚生年金3級となった公開事例もあります。
Q4.初診日が10年以上前ですが大丈夫ですか?
10年以上前でも請求できる可能性があります。
ただし、初診日を証明する資料が残っているかどうかが問題となります。
カルテが残っていない場合でも、その他の資料から初診日を立証できる可能性があります。
諦めずに調査することが重要です。
Q5.透析を始めた病院が初診の病院ではありません。どうすればいいですか?
まず、透析に至った原因傷病について、最初に受診した医療機関を確認します。
多発性嚢胞腎であれば、多発性嚢胞腎に関する最初の受診歴を確認する必要があります。
透析開始病院だけを調べていては、初診日の問題を解決できない場合があります。
Q6.本人が申請することはできますか?
もちろん可能です。
障害年金はご本人が請求できます。
ただし、多発性嚢胞腎から人工透析となったケースでは、
初診日の確認 → 医療機関への証明依頼 → 診断書 → 病歴・就労状況等申立書 → 請求
という流れを、ご本人やご家族だけで進めることになります。
初診日が古い場合や転院が多い場合には、専門家への相談をおすすめします。
まとめ|多発性嚢胞腎から人工透析になった方は、早めにご相談ください
多発性嚢胞腎は、長い年月をかけて腎機能が低下し、人工透析に至ることがあります。
そして人工透析を開始した場合、障害年金では原則2級に認定されます。
しかし、実際の申請では、
「人工透析をしていること」以上に、「初診日をどう確定するか」
が大きな問題になることがあります。
特に、
- 初診日が10年以上前
- 病院を何度も転院している
- 初診の病院が現在とは違う
- 初診の病院が閉院している
- カルテが残っていない
- 健康診断から病気が発見された
という方は、できるだけ早く準備を始めることをおすすめします。
そして、事後重症による請求では、請求日の翌月分から年金が支給されるため、請求できる状態になった後に手続きを長期間先延ばしにすることは避けたいところです。
多発性嚢胞腎・人工透析の障害年金なら全国障害年金申請サポートセンターへ
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青森県弘前市に事務所を構えていますが、全国対応で障害年金の申請をサポートしています。
これまで全国各地から、
- 多発性嚢胞腎
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電話・メール・LINE・郵送・オンライン
を利用して全国のお客様に対応しています。
原則として、遠方のお客様に事務所までお越しいただく必要はありません。
障害年金の申請で重要なのは「対面で何度も会うこと」ではなく、
正確な病歴の聞き取り、初診日の確認、医療資料の収集、診断書の確認、病歴・就労状況等申立書の作成、そして適切な時期に請求すること
です。
そのため、遠隔での申請でも何ら支障なく手続きを進めることができます。
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