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コラム

支給のハードル②~医師との関係~障害年金

本日は、支給のハードル②~医師との関係について説明します。

・医師が診断書を書かない理由は、次のように考えているためだと思われます。

●障害年金を受けられるほど病状が重くない
●診断書を書いたら必ず障害年金が受けられる、と患者に誤解されトラブルになるのを避けたい
●障害年金を受けることは病気の回復の妨げになる
●仕事は治療することであり、忙しいため書類作成は優先順位の低い業務である

・また、医師が実際より軽い病状で診断書を書いてしまうこともあります。多くは、医師とのコミュニケーション不足によるものです。

◎医師が診断書を書いてくれない

・医師法第19条2項では、次のように定めています。「診察若しくは検案をし(中略)た医師は、診断書(中略)の交付の求めがあった場合には、正当の事由がなければ、これを拒んではならない」。医師が診断書の作成を拒むことができる正当な事由とは、次のような場合です。

●診断書が詐欺、脅迫等不正目的で使用される疑いが客観的状況から濃厚であると認められる場合
●医師の所見と異なる内容等虚偽の内容の記載を求められた場合
●患者や第三者などに病名や症状が知られると診察上重大な支障が生ずるおそれが強い場合など、特別の理由が存する場合

・「障害年金を受けるほど重くない」、「トラブルに巻き込まれたくない」、「回復の妨げになる」、「忙しい」など、医師が自分の判断や思い、無理解から診断書を書かないことは、問題であり法違反とも言えます。
・しかし、医師が障害年金の制度を誤解していることもあります。理解を求めることが大切です。障害年金が受けられる重症度を伝え、自分がその重さにあてはまると思っていることを伝えましょう。具体的には、年金機構のホームページに公開されている「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」の自分の傷病にあてはまるページを印刷し、渡してみると説得力が増します。
・また、支給が決定すると生活がどうなるのかも伝えましょう。経済的な不安から無理に働き続け重症化したり、精神的に不安定になったりすることを避けられるのが障害年金です。
・また、実際には重症なのに、医師が本人の病状を軽いと考えているために診断書を書けないと話している場合は、誤解を解くことが必要です。医師が、本人から障害年金の相談をされたことをきっかけに実際の病状を知った、というケースも少なくありません。たとえば、家族の送迎がなければ通院できない病状であることを、伝えなければ多忙な医師は気づかないこともあるのです。

◎医師が実際より軽症で診断書を書いてしまった

・出来上がった診断書を見たら、病状が反映されていないものだった、ということがあります。「先生はよく分かっていると思っていたのに・・・」、と医師とのコミュニケーションが取れていなかったことに初めて気付き、がっかりするでしょう。
・実際に遭遇した内容の一部を挙げます。(  )は使用した診断書の様式です。

・日中の半分以上臥して過ごしていることが把握されていなかった(精神、肝疾患、その他など)
・病気悪化のため実家に帰っているのに「一人暮らし」と書かれた(精神)
・長期休暇中なのに、「週5日勤務」と書かれた(精神)
・体のバランスが取りづらく、杖を使っても道で頻繁に転ぶようになっていたことが把握されていなかった(肢体)
・階段をどうしても使わなければならないときは、1段下りたり上がったりするのに何分もかけていることを把握されていなかった(肢体)
・お粥くらいしか飲み込めなくなっていたのに、食事の制限が少ないと思われていた(そしゃく)

・違っている内容は正直に伝え、実態にあった内容にしてもらいましょう。しかし、過去のカルテを基に作成される診断書の場合、カルテに記入がないことは書けないのがルールです。ふだんから正直に病状を伝え、記録を残してもらうよう、努力を積み重ねることが大切です。

◇ポイント

●障害年金の請求を決めてから、病状を正直に話すのでは遅い
●ふだんから、病状を正直に伝え、医師とコミュニケーションを取るよう気を配る

◇当センターの想い

・医師とのコミュニケーションを取って、正直に病状を伝えて、生活の不自由さなども話すようにしましょう。
・医師は障害年金に詳しいとは限りません、資料を渡してみるなどして医師の協力を得られるように説得することも必要です。
・支給が決定すると生活がどのようになるのかも伝えましょう。経済的な不安から無理に働き続け重症化したり、精神的に不安定になったりすることを避けられるのが障害年金です。

本日はここまでとします。次回に続きます。
またのご訪問お待ちしております。

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