障害年金・うつ(精神)/診断書~医師におまかせで大丈夫?
本日は、診断書の記入は、医師におまかせで大丈夫?について説明します。
◎日常生活について細かく伝えて依頼
・障害年金請求の診断書は、勤務先や保険会社に提出する診断書などとは別物。病気や怪我による症状のために、本人の日常生活がどれだけ困難な状況であるかを証明するものです。「医学的」というよりも「社会医学的」な性質をもつ文章といえるでしょう。
・診断書は医師に書いてもらいますが、障害の種類ごとに決まった書式があり、用紙は年金事務所でもらうか、日本年金機構のホームページからダウンロードして入手します。パソコンを使って記入できるエクセル形式のデータもありますが、手書きで作成する医師が多いです。
・いつも診てくれている主治医だから、本人の状況をよく理解して必要な内容を漏れなく記入してくれるだろうと思うかもしれません。しかし、医師に「書いてください」と用紙を渡すだけだと、記入漏れや、症状の重さや生活の困難さを実際より軽く記載される場合があるので注意が必要です。
・特にうつなど(精神)の診断書では、日常生活能力が重視されています。治療歴や現在の病状の他に、「日常生活状況」という項目があり、食事や身辺の清潔保持、金銭感覚、買い物、通院・服薬、対人関係などの日常生活能力の程度(援助の必要性やその程度)を記載します。この欄には、
●「単身で生活するとしたら可能かどうかで判断してください」との注記
が付いているので、
●家族と同居していても「もし一人暮らしだったらどうか?」と想定する
必要が有ります。
・たとえば、「適切な食事」の項目なら、一人暮らしであっても、配膳などの準備も含めて適当な量を栄養バランスよく摂れているかを判断します。同居の家族が調理・配膳・声かけをしてくれた上で食事ができている人や、1人でいるときは1日1食しか食べない、インスタント食品しか食べないという人でも、医師に「ご飯は食べられていますか?」と質問されると、単に「毎日食事をしている」という認識で「はい」と答えてしまうことが少なくありません。医師が障害年金にあまり詳しくなかったりすると、質問の仕方を変えてさらに詳しく聞き取ることもなく「できる」にチェックを入れてしまい、本人の実際の状態よりも軽く判定される場合があるのです。
・医師に診断書作成を依頼するときは、まず本人や家族が診断書の内容を確認し、現状を正しく記載してもらえるように、病状や生活状況を正確に伝えるようにしてください。
・作成された診断書は封がしてありますが、自宅へ戻ったら開封して内容を確認しましょう。診断書に本人の病状が反映しきれていない場合も多々あります。そんなときは、再度医師に病状を伝えてみましょう。また、不支給になった場合などは、提出書類のどこに原因があったのかを見直す必要があるので、診断書もコピーを取っておきます。コピーを取り忘れた場合は、日本年金機構に開示請求できます。
◎診断書を依頼する時のポイント
◇依頼するとき
●診断書の種類は適切か確認
●受診状況等証明書のコピーを添付
●傷病による仕事や日常生活への影響を具体的に説明
※「ちょっと細かいかな?」と思うくらい詳しく伝える
◇受け取るとき
●日付の記入漏れや、誤りがないか確認
●日常生活や就労に関する記述内容、選択項目に誤りがないか確認
●提出する前にコピーを取る
※発症年月日、初診日、治療期間など日付を書く欄は多い
◇診断書の確認ポイント(精神の障害用)
●①傷病の原因となった傷病名・・・ICD-10コードを確認
●②③⑦⑧⑩の日付の記入漏れ、誤りをチェック
●症状の状態・・・症状、処方薬等を具体的に記載してもらうよう依頼する
◇診断書(精神の障害用)の「日常生活能力の判定」のチェックポイント
●「単身で生活」という視点で判定してもらう
●それぞれの項目で、当てはまるものを選ぶ。本人の状況が正しくチェックされているか確認
◇(1)適切な食事
●配膳などの準備も含めて適切な量をバランスよく摂ることがほぼできるかどうかで判断。たとえば、レトルト食品やコンビニエンスストアなどのお弁当ばかりの食事、夜中に菓子パンやカップラーメンを食べるなどの不規則な食生活、1カ月間同じメニューを食べるなどは、「できる」の状態とはいえない。
◇(2)身辺の清潔保持
●洗面、洗髪、入浴等の身体の衛生保持や着替え等ができる、また、自室の清掃や片付けができるかどうかで判断。たとえば、洗髪は週2回ほど、億劫なのでドライヤーで髪を乾かさない、部屋は足の踏み場がないなどは、「できる」の状態とはいえない。
◇(3)金銭感覚と買い物
●金銭を独力で適切に管理し、やりくりがほぼできる、又は、1人で外出しての買い物や、計画的な買い物が可能かどうかで判断。たとえば、うつ病の場合で、買い物で外出することができないためインターネットで注文をしている。躁うつ病の場合で、躁状態のときに高額な契約をしてしまう、インターネットで不必要に大量購入してしまう、飲食店で会った知らない人におごってしまう。知的障害の場合で、1か月分のおこづかいを1日で使ってしまう。どれもよく聞くケースだが、「できる」の状態とはいえない。
◇(4)通院と服薬
●規則的に通院や服薬を行い、症状等を主治医に伝えることができるかどうかで判断。たとえば、自己判断で薬の使用を中止してしまったり、飲み忘れが多いなどは、「できる」の状態とはいえない。
◇(5)他人との意思伝達及び対人関係
●他人の話を聞く、自分の意思を相手に伝える、集団的行動ができるかどうかで判断。たとえば、人と話すと疲れてしまうので会話する気力がない、逆に感情のコントロールができにくく、衝動的な言動で他者と衝突してしまうなどは、「できる」の状態とはいえない。
◇(6)身辺の安全保持及び危機対応
●事故等の危険から身を守る能力がある、通常と異なる事態が起きたときに他人の援助を求めるなどを含めて、適正に対応できるかどうかで判断。たとえば、高次脳機能障害の場合に、電車の利用方法を忘れてしまう、電車の路線を間違えるとパニックになり他人に援助を求められない、ガスコンロの火を消し忘れてしまうなどは、「できる」の状態とはいえない。
◇(7)社会性
●銀行での入出金や公共施設等の利用が1人で可能、また、社会生活に必要な手続きができるかどうかで判断。たとえば、住所地の役所で住民票を取るときの基本的ルールがわからない、適切な対応ができないなどは、「できる」の状態とはいえない。
◇当センターから一言
●障害年金請求で最初におこなう裁定請求は書類審査なので、医師に本人の症状と日常生活の状態をしっかり伝え、診断書にきちんと盛り込んでもらうことが大切です。しかし、実際には自分の病状を伝えきれてない人が多いように思われます。
本日はここまでとします。次回に続きます。
またのご訪問お待ちしております。
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