社労士に頼まず、自分で請求手続きをしたい!~障害年金
本日は、社労士に頼まず、自分で請求手続きをしたいについて説明します。
◎3要件を明確に満たせばスムーズに請求
・障害年金の請求手続きは、本人が行うことも、本人の代わりに家族が行うことも、専門家である社会保険労務士に依頼することもできます。
・本人や家族が手続きする場合の主な費用は、診断書や戸籍謄本などを取得するための手数料、医療機関や年金事務所などへの交通費・通信費などですが、専門家に依頼した場合は相談料や業務報酬などもかかります。障害により働けなくなり収入が途絶える一方で、医療費の負担は増えているという状況では、請求手続きも自分たちでおこなって、なるべく出費を抑えたいと考える方も少なくありません。
・たとえば、事故による怪我で身体障害が残った脊髄損傷や、くも膜下出血といったケースは、初診日の確定がしやすく、資料をたくさん添付しなくても、本人の状況に即した内容の診断書で、適切な等級に判定されやすいと思います。
・また、腎臓病の障害(人工透析など)や心疾病(ペースメーカー装着など)でも、医療機関の領収書を保管している、納付要件に問題がないなど、請求に必要な条件をクリアしている場合は、専門家に頼まなくても受給までたどり着けるでしょう。
・ただし、自分で手続きしやすいケースでも、初診日と思っていた日が実は初診日でなかった、という場合もあります。たとえば、人工透析が必要となり、腎臓病として障害年金の請求を行うとき、腎臓の悪化が認められた日が初診日だと思われることがあります。しかし、糖尿病性腎症は糖尿病と相当因果関係があるものとして認定されます。そのため、「糖尿病の初診日」を特定する必要があるのです。初診日は20年以上も前で、糖尿病と診断され継続的に治療をし、その後症状が悪化。慢性腎不全を発症し、人工透析となるケースは稀ではありません。自分が思っていた初診日でないケースがあるので、注意して確認するようにしてください。
◎自分で請求しやすい事例
◇障害の原因となった傷病
●慢性腎不全
◇傷病の経過
●会社の健康診断で蛋白尿が出て、再検査が必要と言われ、会社近くのクリニックを受診
●自覚症状がなく、「今後、様子をみていきましょう」と言われた
●再検査と言われて2年後ぐらいより、疲れやすい、朝起きたときに浮腫んでいるなどの症状がでる
●休養をとったり食事療法をおこなってきたが改善されず、人工透析を受けることになる
◇請求の手続き
①自宅近くの年金事務所で相談。請求に必要な用紙一式をもらう
②再検査で受診した病院で、初診日の証明をする「受診状況等証明書」を記載してもらい、初診日が確定。初診日から5年経過していないため、当時のカルテが保管されており、初診日の確定がスムーズだった。
③初診日が確定したので、年金事務所で保険料納付要件を調べてもらう
④保険料納付要件を満たしているため、現在の主治医に「診断書」を書いてもらう
⑤障害年金を請求するために必要な書類を添付し、年金事務所へ提出
⑥請求から3か月後、自宅に障害等級2級の年金証書が届き、支給決定
本日はここまでとします。次回に続きます。
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